令和7年の上げ馬神事について
令和7年の多度大社例祭神賑行事(上げ馬神事)の斎行について、令和7年3月28日多度大社上げ馬神事在り方検討会に於いて昨年の神事に基づいた提言を受け、当該神事の主催者である多度大社御厨総代会に於いて提言に基づいた改善事項を策定しましたので、ここに広く公表いたします。改めて古くより連綿と受け継ぎ伝えられる当該神事に於いては、間断なく改善に取り組んだうえに、正しく継承される神事斎行となるべく努めなければならないと、多度大社御厨総代会始め祭事関係者一同その覚悟を新たにしております。いよいよ本年の上げ馬神事を斎行するにあたり、昨年の当該神事を経て検証を加えた上で決定された本年の改善事項について、広くお知らせいたします。
記
昨年の検討会より提言を受け、今般新たに決定された改善事項
・従来上げ坂を登りきった後、直ちに祭馬を停止したり、騎手が落馬する事例が見受けられたが、今後は騎手と祭馬が一体となり新宮社を周回し、祭馬をクールダウンさせつつ、騎手自身の操馬技術をもって安全に停止することとする。
・曳馬の際にロープを短く持って曳いているが、祭馬が頭を右側に向けている様子が、祭馬に負担をかけているように見えるとの提言については、曳綱を長めに持つよう改善することとする。又、従来の胴綱の使用は本年より廃止することとする
・当日の馬繋場に於ける厩舎について、祭馬の特性による過度の興奮による事故や怪我を防ぐべく、祭馬同士の間隔を空ける乃至隔離すべきとの提言については、現状の厩舎の空きスペースを活用し、祭馬が落ち着いて過ごせるよう配慮することとする。
・頭絡、ハミ、腹帯などの馬具について祭馬の負担とならないよう改善の余地の有無についての提言については、従来の和鞍ないし鐙を伝統とするがハミに包帯や手ぬぐい等の細布を巻く、あるいはラテックスなどにより祭馬の口への負担を軽減することとする。 又、馬繋場に於いては出来得る限り頭絡、ハミ、鞍をはずす事とする。
・祭馬の足への負担軽減のため、走路全体乃至上げ坂後の神社境内にも砂を敷設すべきとの提言については、祭場としての清浄さの標章とする意味も含めて敷設することとする。
・昨年は事前の申し合わせ事項が概ね遵守されていたが、一部で鞭の使用、速度を競わせるなど射幸心をあおるような言動が散見されたとの提言については、鞭の使用は引き続き従来の竹製及び乗馬用の鞭も含め持たないこととする。
・乗込の次第及び経路について、また坂上げの後の馬繋場への経路については、騎射馬を拝観者に披露する機会を与える事も考慮しながら、騎手自身が奉仕して良かったと思える祭りとなることが望ましく、実際に神事を行う世代の意見を十分に聞くこととする。
以上