肱江地区は神児(ちご)だす村で、上げ馬は行いません。その直前に行われる「神」を迎える「七度半のお迎え」行事に参加します。ゆっくりと歩いて行くだけですから、他の6つの御厨(みくりや)のように乗馬の練習はしないのです。
毎年4月29日は肱江の地区のひとに、今年の馬を披露する日です。青年会3人(全部で4人)で、馬主さんのところへ馬を借りにいきました。 馬の名前、聞くのを忘れました。4歳の男の子です。
5月 01
4月 30
今回は準備作業の模様をお伝えしたいと思います。
日々の準備作業により、祭事に使用するものが出来上がってきました。
今日は、作成物の確認と祭事におけるロープの結び方の練習会が行われました。
元老を先頭に口付が『かまなわ』*1という名のロープを使用し
結び方を練習しています。
今回の結び方は、4、5日の祭馬に使用する『かまなわ』の結び方です。
馬の頂点を基点とし、ハミ部分に通し、首下を経由しながら、鞍を終点とする結び方です。
基点部分、経由部分は簡単なのですが終点部分がちょっと難しいです。
あげまき結びをもう少し変形した形ですが、、、
正式名称が不明です、、、
『かまなわ』 『しりがい』 『手綱』
のほぼ完成品です。
元老を先頭に口付がすべてを確認して行きます。
この間青年会は幹部を含め全員ビクビクしています。
何故かと言えば、先輩達に教えられた通り作られているか
確認されている為、致命的な部分があれば再製作を言い渡されてしまいます。
しかし、馬具の致命的な部分を放置をすれば祭事の際大事故に直結しますので
妥協できません。
以前も説明しましたが、”さらし”を使用して編みこんで行きます。
編みこむ作業は機械などありませんので、すべて自分たちの手で編んで行きます。
この編みこみ作業している者の手は、
マメができ、それを剥がしながらの作業となります。
また馬具によっては、針仕事が生じます。
慣れない針仕事をしながら作成しております。
*1 『かまなわ』
三色のさらしを決まった長さに切り裂き、編んだロープとなります。
このロープは非常に丈夫です。伸縮もほとんどありませんし
ハサミなどで切るのも大変なほどの堅さとなります。
語源は。。。申し訳ないですが。。。不明です。。。
y.hirukawa
4月 29
当社には、様々な方がお参りにこられます。先日、ご年輩の女性が熱心にお参りをされていました。その方は、本年の騎手のお婆さんとのこと。お孫さんが無事立派に神事のご奉仕が出来ることを願い、毎日お参りされているそうです。「がんばっている孫の姿を見て、私に出来ることはこれぐらいです・・・。」と語る彼女の姿に、美しい日本人の心が、祭を通じ継承されているような気がしました。
4月 29
本日(28日)、多度大社にて例祭神事作法説明会が開催されました。
毎年、祭直前のこの時期に行われ、神社神職、また七御厨の総代、騎手を含めた青年会他、神事関係者たちによって、神事の作法をはじめ、祭当日の注意事項、確認事項また検討事項などが話し合われます。皆一様に、神事の進行に対する認識を相互に高めようと、細部にわたっての話合いがなされます。
◎ 説明会の様子
また、祭の主役である騎手たちは、四日の晩に行われる鞭祭り(騎手本人が謹製した鞭を神社に奉納する儀式)における作法、五日の朝祭りにおける拝礼の作法など、神職により説明を受けます。
◎ 鞭奉納の作法
ぎこちない手つきながらも、真剣に作法を練習しています。
◎ 神酒拝戴の作法
まずは、神職がお手本となって説明します。
次に騎手本人たちが一人ずつ練習していきます。
◎ 祭典での拝礼の作法
今は慣れない作法にも、祭典当日には皆、凛々しい姿となって拝礼してくれることでしょう。
この説明会を迎えると、いよいよ多度祭目前という時期なんだなと実感します。
本日、初めて一堂に会した六人の騎手たちは、まだどこかあどけなさの残る顔付きでしたが、上げ馬神事に臨むその日には、一体どんな顔付きであの坂に挑んでくれるのか、楽しみにその瞬間を待ちたいと思います。
4月 29
4月 28
前回に続き、『乗り上げ』模様をお伝えしたいと思います。
遠めに緑の『メンコ』 *1 が見えるかと思います。
小柄な馬ではありそうですが、瞬発力がすごそうです。
歩いてきたかと思えば、2頭目は今にも走り出しそうな勢い。。。
ホンクチ1名とソエ2名でスタート地点に向かいます。
祭事当日に、この様な状態の祭馬がいたら
絶対に近づかないでください!事故の原因にもなります。
( 私も近づきたくない。。。 )
スタート!
練習馬と勢いが違います。
3頭目の登場です。
2頭目よりも馬格があるように見えました。
力感が感じ取れます。
やはり練習馬と勢いが違います。
(若干ピンボケです。申し訳ないです)
雨天の中、『乗り上げ』も無事終了!
お疲れ様でした!
また後日書きますが、まれに観光客の方が『写真を撮らせてください』や
高級カメラで一生懸命フォーカスをあわせようとファインダー越しに
一生懸命な方がいらっしゃいます。
写真は関係者も、安全で行動予定に急いでいなければ
断る方はそれほどいないかと思います。
但し、安全を確認した上で撮影してください。
フラッシュを使っての撮影や安全が確保されていない状態での撮影はご遠慮ください!
本当に危険です。
また写真撮影の際は、馬の耳の向きを注意してください。
馬の緊張していない場合は、上記写真の青の方向を向いているはずです。
逆に馬の耳が『左右クルクル』動かしていたり、上記写真の赤の方向を向いている場合は
『耳を絞る』といった状態で、馬のほうが怒っていたり、フラストレーションが溜まっている
状態です。突然思いがけない行動する可能性があるので撮影は一時中断してください!
馬はおとなしくても、1馬力は1馬力です。
人間の力ではかないません。
安全を重ねて、ご観覧していただけると幸いです。
y.hirukawa
4月 27
今回は『乗り上げ』の模様をお伝えしたいと思います。
『乗り上げ』とは、練習を切り上げるところから乗り上げと呼ばれている
ようですが、、、真意のところは定かではありません。
現在の乗り上げは、
・ 練習の一区切りを、多くの人に見せる
・ 実際の祭事に使用する馬を、本番前に騎手が一度騎乗する
の意味合いが多いかと思います。
さて、乗り上げ開始!と思いきや前夜から雨が続き
乗り上げ当日も降雨のまま。。。
雨降りしきる『乗り上げ』の模様をお伝えしたいと思います。
練習時と同じように準備していきます。
青年会は雨なので合羽を着ていますが、
合羽の下には全員、力尾区の半纏を着ての開始です。
合羽の着ての作業は稼動範囲が狭くなるので、作業がしづらくなります
また声が聞きづらく、中々作業がはかどりません。
雨天時の祭事を想定して、いい練習かとは思います。
さぁ乗り上げ開始です。
1頭目は、都合により2頭目の練習馬を使用することになった為
後ろ身の騎乗となりました。
ほんくち (*1) を元老が引き、そえ (*1)が青年会の幹部が引いて
スタート地点に向かいます。
さぁ撮影をと思ったら、雨が本降りに。。。
ピントがあってくれません。。。
1頭目終了後、馬具をはずして2頭目の馬に付けて行きます。
その合間に隣地区が練習を行っています。
さぁ 2頭目の準備ができたようです。
この続きは次回にお伝えしたいと思います。
私が青年会の時代からのジンクスです。
『 力尾が花馬の時は雨が降る 』
誰が言い始めたかわかりませんが、、、
今年のゴールデンウイークはどのような天気に
なるでしょうか!
(あくまでジンクスですので、あしからず。。。)
(*1)
『ほんくち』 → 馬の引き手の呼び名で、騎手から見て馬の右手側を指します。
『そえ』 → 馬の引き手の呼び名で、騎手から見て馬の左手側を指します。
気性の荒い馬を歩かせる際に、頭をまっすぐ向けると
そのまま突進する可能性があるため、祭馬を引かせる際には
馬の頭を『ほんくち』側に向けさせて歩かせます。
『ほんくち』は進行方向側に馬の頭と首が目の前にある為
進行方向がまったく認識できません。
その際に、『そえ』の人間が前方の確認や止まれの指示を『ほんくち』に伝えます。
馬が暴れて危険な際は、『そえ』はすぐ引き綱を引き抜き
『ほんくち』に馬の制御を預けます。
y.hirukawa
4月 26
今回は、乗り上げ前日練習の模様をお伝えしたかったのですが、
アクシデントです。
新たに3頭目の練習馬が来て、前日にキャンターの練習をしていたらしいのですが
乗り上げ前日のちょうどこの日に練習馬が馬場入りを拒みます。
引き手が馬からロープを放しても、練習馬はそのまま動きません。
そのとき私はカメラを持ち、『そのような個性の馬かな?』と
騎手も青年会にも『いい勉強かな?』と遠くから見守っていました。
しばらくすると別の場所で練習をするようで、撮影位置を変えようと
練習馬の近くに行くと。。。。
練習馬の『左前足の球節』が腫れ上がっています。
その場で私が全部の足元を触り確認すると、
『左前足』 『右前足』 『右後足』の球節が腫れています。
その場で、練習は中止させ集会所へ戻ってきました。
写真で見るとおり左前足が蹄から数えて、下から1つ目の関節が
異常に腫れています。
私が確認したところ、腫れている足に傷は見当たらず
フレグモーネ (*1)では無いと判断しましたが
私は獣医ではないので、馬主さんのほうへすぐ連絡をし
明日以降の相談と足元を冷やすを事行いました。
練習馬がこのままの状態で練習に使うことはできません。
馬も痛いですが、練習できなかった騎手も
翌日を乗りあげを控えて痛いです。
馬の足元は繊細なので、些細なことですぐ怪我となります。
指導不足を痛感した瞬間でした。
≪3頭目の練習馬はその後も練習には使用せず、馬主さんのほうへ帰りました。≫
≪早く治るといいのですが・・・≫
y.hirukawa
*1
雑菌が外傷をおった部分から感染します。
馬がこのような状態になると一晩で腫れ上がり、馬自信も痛みをあらわします。
4月 25
4月 24